デューディリジェンスの実施
Q DDは一連のM&Aプロセスにおいてどのような段階で行われるのですか。
A DDは、一連のM&Aプロセスにおいて次の各段階で行われることが一般的です。
- 暫定的な意思決定・買収価格決定のための予備調査
- 本契約のための意思決定、買収価格の正式決定のための調査
- 最終の買収価格調整
DDは、M&Aのプロセスのうち、(1)事前調査、M&Aスキームの選択、(2)DD、(3)クロージングの3つのプロセスで行われるのが一般的です。ただし、必ずしもすべてのプロセスにおいて行われるものではなく、対象会社の規模や状況に応じて必要な手続が実施されます。
(1)事前DD
事前調査・M&Aスキーム選択の段階で行われるDDは、事前DDとも呼ばれ、M&A実行の意思決定及び暫定的な買収価格、買収条件の暫定的決定のために行われます。この結果を受けて、基本合意書の締結に至りますが、基本合意書に記載される各種買収条件は、その後のDD結果により修正されることを明記することが一般的です。基本合意書は全体的として法的拘束力を持たず、必ずしも作成されるわけではありません。小規模M&Aの場合には省略される場合があり、この場合には、(1)事前DD」と(2)DDとを区別せず、一度に行われることになります。
(2)DD
基本合意書の締結後、より詳細な条件を決定するために、現地調査によるDDが行われますが、このDDは、最終的な買収条件の確定のために行われるため、ひょり総合的、詳細な調査が求められます。DDの結果、基本合意書における買収価額を修正すべき事項が検出された場合には、本契約において買収価格の調整を行います。
(3)クロージングDD
買収契約書で明示する買収価格は、調査基準日を設定し、その時点におけるDDの結果を受けて決定しますが、本来クリージング日を基準日としたDの結果、算定されるべきものです。それゆえ、買収契約書締結後、クロージング日までの間の状況変化を買収価格に反映する余地を残しておくために買収契約書には、買収価格調整についての状況が設けられます。この最終的な買収価格調整の必要性の有無を検討するため、また、買収会社における開始帳簿価額を確定するため、クロージング日時点における財務諸表を対象に最終のDDが行われます。
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