配当方式
企業のフローとしての配当に着目して、企業の株価を算定評価する方法です。
収益方法は、企業の利益全体を果実とみるのに対し、この方法は株主の受け取る配当金のみを果実とみる点で異なっています。この方法は、受取配当金のみを果実とむる点で異なっています。この方法は、受取配当金のみを果実とする少数株主としての株式評価に優れていますが、企業自体のストック又はフローの価値を考慮しないという点で限界があるといえます。
1.配当還元法
a.実際配当還元法
実際配当還元法は、過去の配当実績に基づき、将来各期に期待されている配当予定金額を用いて算出します。この方法は、配当のみを重視した非支配株主間における企業評価に適しています。
この方法によれば、株式の種類から配当を予測することができるメリットがありますが、経営者の配当政策に左右されるといったデメリットがあります。
b.標準配当還元法
標準配当還元法は、将来各期に期待されている純利益を、類似業種の平均配当性向に基づき算出します。この方法は、実際配当還元法と同様に配当のみを重視した非支配株主間における企業評価に適しています。
この方法によれば、株式の種類から配当を予想することができ、経営者の配当政策に影響を受けにくいといったメリットがありますが、損失を計上し、配当できない会社では株価評価できないといったデメリットがあります。
c.相続税法上配当還元法
相続税法上配当還元法は、財産評価基本通達により規定されている評価方法です。この方法では、過去の配当実績を資本還元率で割戻しますが、資本還元率は一律に10%とされています。少数株主の相続や贈与があった場合の評価方法として用いられます。
この方法によれば、財産評価基本通達にも基づき客観性がありますが、将来の配当予測を考慮していないといったデメリットがあります。
1株当たり評価額=1株当たり配当金額÷資本還元率
2.ゴードンモデル法
企業が獲得した利益のうち、配当されなかった内部留保金額は、再投資することで将来の利益の貢献により配当の増加を期待できるとして株価を算定する方法です。
この方法によれば、配当されなかった内部留保金額も反映させることができ、経営者の配当政策にも影響を受けにくいといったメリットがあります。ただし、評価の前提として一定の成長率が永久に続くことを前提として評価しているため、成長性の低い会社に適していないといったデメリットがあります。
1株当たり評価額=1株当たり配当金額÷(資本還元率-投資利益率×内部留保率)
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