時価純資産法

1.資産の評価

(1)現金預金

通常帳簿価額を時価とみなします。

(2)受取手形、売上債権、貸付債権等

売掛金、受取手形、貸付金等の債権については、実際の回収可能性を考慮して評価する必要があります。債務者の財政状態や経営成績に応じて債権の回収可能性を検討します。

(3)有価証券

上場有価証券であれば評価基準日の時価、非上場の関係会社株式であれば企業の財政状態等を勘案した純資産価額方式などで評価し直します。社債等の債券は、営業債権に準じた回収可能性をもって評価し直す必要があります。

(4)棚卸資産

棚卸資産のうち、長期滞留している在庫や不良在庫については評価し直す必要があります。

(5)有形固定資産

有形固定資産のうち、土地・建物については不動産鑑定士による鑑定評価証明書を入手するのが望ましいと考えます。ただし、鑑定評価証明書を入手するには費用と時間がかかりますので、簡便的に路線価評価や、固定資産税評価額を0.8や0.7で割り戻した額を評価額とすることもあります。

また、過去の鑑定評価証明書がある場合は、鑑定当時から現在までの基準地価の変動率を影響させて時価とみなす方法も考えられます。

(6)無形固定資産

特許権、商標権、実用新案権などの知的財産権は、貸借対照表への計上の有無にかかわらず、適正な評価額により企業評価を行うことが望まれます。その知的財産権等が将来獲得する収益や費用削減額を考慮したDCF法による評価が考えられます。

また、貸借対照表に計上されていなくとも、超過収益力を有する場合は、営業権として資産価値を算定する必要があります。

2.負債の評価

(1)未払費用・未払金

金額的に重要性のある未計上債務がないかどうか確認します。

(2)退職給付引当金

非上場会社では、退職給付引当金は法人税法上損金不算入のため引当計上していないこともありますが、退職給付引当金を評価する必要があります。

(3)賞与引当金

非上場会社では、賞与引当金は法人税法上損金不算入のため引当計上していないこともありますが、賞与支給見込額で評価する必要があります。

(4)税効果会計

評価会社が税効果会計を適用している場合は、企業の業績やタックスプランニングを十分に検討したうえでその資産性を評価する場合があります。

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